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一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【経済編】

おすすめ度:★★★★★

一度読んだら絶対に忘れないシリーズは、私のお気に入りシリーズで、これまで日本史、世界史を読んできた。今回も世界史の内容ではあるが、権力の象徴である経済をテーマに、世界史を見ることができる「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【経済編】」を読んで見た。

世界史は、戦争の歴史だが、戦争の勝敗には経済力が鍵となることが多い。また、イデオロギーの対立だけでなく、資源の確保、領土の拡大など、自国の繁栄を目的とする戦争が起こることもある。そして、自国の経済が停滞し、内政状態が不安定化し、戦争に至るケースもある。宗教についても、普及には必ず経済力が必要であり、経済力があると権力が生まれる。そうした、世界の史実の背景にある経済事情を、文明の始まりから現代に至るまで書かれている。

文明初期は物品貨幣から始まり、貴金属で生成された鋳造貨幣、そして兌換紙幣から現代の不換紙幣へ。その貨幣の移り変わりについても書かれている。特に、近現代における金本位制の兌換紙幣から、政府の信用の元に中央銀行が発行する不換紙幣への移り変わりについては、各国様々な事情がはらんでおり、読んでいて面白かった。

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【経済編】

たった1つの図でわかる!図解経済学入門

著者 : 高橋洋一さん

おすすめ度:★★★★★

元財務官僚で、数量政策学者の高橋洋一さん。Youtubeチャンネルも持っておられ、政治と経済を中心にわかりやすく解説してくれるので、よく拝見している。著書も多く、そのジャンルも多岐にわたるが、経済についての著書に一番興味があったので、「たった1つの図でわかる!図解経済学入門」を読んでみた。

この著書の良いところは、専門用語や難しい内容はなく、物価の決まり方や、賃金と失業率、貨幣の相対的価値、金利と貨幣供給量、といったミクロ経済からマクロ経済までを、簡単な需要曲線と供給曲線図を用いて、わかりやすく説明されていること。どういった状況になったら、曲線がシフトし、曲線がシフトしたらどういった変化が起きるのかを、身近なものを例にとって、順を追って丁寧に説明してあるので、非常にわかりやすい。

日銀の金利政策についてもわかりやすく説明されている。民間金融機関が持っている日銀の当座預金には、一定額入れておく法定準備金が義務付けられており、その他にも様々な決済のために、法定準備金を超えた額である、超過準備金を日銀当座預金に預けてあり、このお金に対してつく名目金利が、日銀の政策金利で、この金利が民間金融機関や投資家の意思決定に大きい影響を与える。この政策金利をどのように推移させるべきか、基本的なマクロ経済政策として説明されているが、非常にわかりやすかった。

経済とは身近なもので、昨今では、コストプッシュ型の物価高がよく取り上げられているが、この本に書かれている簡単な理論を適用し、価格が変動する要因の解析や価格の動向などを予測しながら実生活を送ると、物事を見極められる力がついてよいかもしれない。また、資産運用している人も一読しておくとよいと思う。

たった1つの図でわかる!図解経済学入門

今さら聞けない! 政治のキホンが2時間で全部頭に入る

おすすめ度:★★★★★

数年前から政治系のニュースやYoutubeチャンネルなどをよく見るようになった。そうしているうちに、政治の重要性に気付き、同時に政治の面白さも感じるようになった。そこで、政治についてちょっくら復習してみようと思い、「今さら聞けない! 政治のキホンが2時間で全部頭に入る」を読んでみた。

この本を読んでいると学生時代の公民の授業を思い出す。私は、学生時代、授業はほとんど聞いているようで聞いていなかったのだが、何故か公民の授業の一部は面白いと思って聞いていた。それがあってか、三権分立や憲法の基本条項の内容を見ると懐かしさを感じる。

憲法、政治、国会、内閣、裁判の基本的なことが小学生でもわかるように噛み砕いて書いてあるので、非常に読みやすいし、手早く復習できるので素晴らしい1冊。中身は本当に公民の教科書の内容そのままだが、教科書っぽさがないので、読みたくなくなるようなことはない。

今回読んだ第4刷発行は、2020年発行なので、衆議院選挙の10増10減など、改正された内容が反映されていないが、そこら辺は自分で調べて情報をアップデートしよう。

今さら聞けない! 政治のキホンが2時間で全部頭に入る

記事を読んでいただきありがとうございました。

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