読むだけで世界地図が頭に入る本 世界212の国と地域が2時間でわかる
著書:井田仁康
おすすめ度:★★★★★
普段国際的な時事ネタを見ていても出てくる国は、ほんの数十ヶ国程度ではないだろうか。外務省が国家として認めている国は196ヵ国あるわけだが、そのほとんどを知らずに生活しているわけで、何とももったいない話なのだろう、と思うのだ。それでちょうど面白そうな本を見つけたので読んでみた。
この本は世界の国々を30のエリアに分けて、それぞれのエリアの国々を1、2ページに要約し、まとめもの。面積、人口、通貨、公用語の他にも国内の宗教構成がわかって面白いし、周辺国との利害関係も簡単に説明されていて、ざっくりとした国際情勢がわかるので良い。特に、東南アジアやアフリカ大陸の国々は、過去の植民地経験から宗教色や公用語が多様で面白かった。
また、意外に日本との結びつきが強い国も知れて良かった。例えば、ブルキナファソは日本が輸入しているゴマの1/3を輸出しているらしく、そのための技術提供も行っているそうで、今後ゴマを買うときはブルキナファソを思い出しそうだ。後、スーパーでやたら見るモーリタニア産の蛸。正式名称は、モーリタニア・イスラーム共和国だそうで、アフリカの西に位置し、サハラ砂漠に面している、れっきとしたイスラム国家。日本の蛸の輸入の1/3がこの国で、蛸を食べる文化がないため、現地人は蛸を気持ち悪がって食べないらしい。こんな感じで、読んでいて楽しくなるネタが多いので、すらすら読めちゃう。
そして思ったことは、やっぱり日本は豊かな国であるということ。利権争いで紛争のある国、多民族国家で民族間の軋轢がある国、政教分離でない国、貧富差が激しい国、衣食住すらまともに整っていない国、資源や産業のない国。色々な国があるが、その中でも日本は非常に恵まれている国だと思った。とにかく、面白いから読む価値あり。
読むだけで世界地図が頭に入る本 世界212の国と地域が2時間でわかる
日本保守党 ~日本を豊かに、強く。
著者 : 百田尚樹、有本香
おすすめ度:★★★★☆
4月の東京都15区の補選で初陣を切った日本保守党。代表はベストセラー作家で、放送作家でもある百田尚樹さん、事務総長はジャーナリストで編集者の有本香さん。昨年、立ち上げたばかりなので、まだ国会議員のいない政治団体ではあるが、百田尚樹さんと有本香さんの知名度もあって、ネット界隈で盛り上がっている。日本保守党という名前の通り、保守を掲げている。
20代半ばまでは若気の至りというのもあり、保守と聞くと、伝統を大義名分に、古臭く、非効率的な慣習や物をなりふり構わず残す考え方、または時代の潮流を拒み、それに逆行するような考え方のことだ決めつけ、やや批判的に捉えていた。そして、どちらかといえば、伝統や文化というものを蔑ろにしがちだった。しかし、この歳になってくると、日本の伝統や文化が如何に稀有なもので、素晴らしいものかを再考するようになった。そこで、保守を掲げる日本保守党について知ろうと、この本を読んでみた。
百田尚樹さんと有本香さんが、日本保守党を立ち上げることのきっかけは、自民党への怒りだそうで、保守政党と言われてきた自民党も、安倍元首相の死もあって、リベラルに傾きつつあり、十分な議論もせず、LGBT理解増進法を成立させた。国家観や歴史観を考えず、この重要な政策をG7サミット向けに強引に押し通した自民党に怒りを覚え、百田尚樹さんが政党を立ち上げることを決意。それに賛同した有本香さんとともに日本保守党を立ち上げたそうだ。とにかくこのお二方は、日本の国家観や歴史観というものを誰よりも強く持っており、この著書の中でもそのことが多く語られている。
日本保守党が掲げる政策についても書かれており、安全保障やエネルギー政策、移民問題、教育、議員の家業化問題の是正などが重点政策となっていた。消費税減税や再エネ賦課金廃止、安全保障関連の政策には、憲法9条の改正はもちろんのこと、自衛隊法改正やスパイ防止法の制定、土地の外資規制などが書かれている。特に憲法9条の改正については、なぜ改正したいのか、なぜ改正する必要があるのかがしっかり書かれており、非常に共感できる内容だった。また、多くの政治家が世襲議員であることや、特権階級に執着するあまり、議員が拝金主義に走る傾向を問題視しており、現在の国会議員の在り方に対して、厳しく批判している。その他にも、彼らの主義主張がしっかり述べられていた。
これまでも短命に終わった泡沫政党がいくつもあるが、ネットを使った情報発信が当たり前になったこの時代において、ネット世論を動かすことができる強みが発揮されそう。数年後、日本保守党が勢力を拡大させているのか、または潰れていのるかはわからないが、ちょっとばかし一波乱を起こしてくれることを期待してみよう。
記事を読んでいただきありがとうございました。